医療関係者の方へ

研修の感想

 

(研修医) 井川博敬 先生

 

 私、井川博敬は郡上市民病院にて平成30年7月4日から8月3日までの5週間地域医療研修をさせて頂きました。地域医療での実習先を選択する際は自身の現志望科である小児科のプログラムがある病院を優先して考慮し、病院の体制や周辺地域の環境なども含めて選択したのが当院でした。小児科では入院している患者様の診療以外にも、平日の外来での診察をはじめ健診や予防接種など大学病院での日常の研修では経験できなかった様々な診療を実際にさせて頂きました。また、地域の周産期医療を担っていることもあり、産婦人科ではほぼ毎日のペースで通常分娩・帝王切開を問わず出産を控えるお母様方がおられ、産婦の先生の計らいで参加する機会を得ることができました。

 また、第1週にて西日本豪雨が郡上を直撃し、自分自身も災害の現場に間接的にではあるものの触れることになりました。地域医療としての訪問診療への同行や少人数での当直・日直、介護施設の偕楽園や国保白鳥病院での実習などの際に、災害が現地に残した爪痕・僻地が陥る孤立した状況・現地在住の方々の実際の避難行動などを報道だけでなく当事者の方々とのお話でも聴取させて頂き、地域での医療体制がどの様なものになっているか・現在どの様な問題を抱えているかを実際に自分の目で見ることができ、将来の医師としての活動においてどの様な役割を求められるのかを見つめ直す機会を得られたことは大きかったと思います。

 5週間という短い間でしたが、御指導を頂いた各診療科の先生方および病院スタッフの皆様、改めて大変お世話になりました。またいつか再び訪れる日が来た際は改めて宜しくお願い致します。本当にありがとうございました。

   

(研修医) 奈保樹 先生

 

 8月の郡上市民病院での研修。目的は?→はい、郡上踊りです。

 正直に言えばこれが答えです。実際、郡上踊りの輪に入り、たまたま横にいた郡上踊り免許皆伝の方で手ほどきをうけて踊りを覚えたり、徹夜踊りで午前4時まで参加したり、研修終了日翌日のおどり納めにもきっちり参加予定です。食事の面でも、私の本拠地がある街よりも美味しい店が豊富で困ったことに体重が増えてしまいました。実に楽しい研修でした。

 しかし、もちろんのこと踊りだけが楽しく充実したわけではありません。私は脳外科・救急4週間、心療内科・漢方外来2週間の研修を過ごしました。それに加えて、先生方に声をかけていただき往診も何度となくお供させていただいたり、産婦人科の先生方に声をかけていただきカイザー手術に入らせていただいたり、科の垣根なく研修させていただきました。

 その中でも私にとって大きな財産・経験となったのが脳外科・救急での研修です。スーパーローテートとなって以降は特に顕著に、多くの素晴らしい病院ほど丁寧で優しい教育をしていただき、検査・治療・処置などの選択・評価についてもほぼ常に指導医に質問ができ応えてくださります。その恵まれた環境は素晴らしいものだと思いますが、私が不出来なせいか、どうしても指導医に提案・確認してからしか治療方法の選択など責任が大きくかかる行動はとれていませんでした(このあたりは個人差があると思います)。そんな私に、「全ての責任は俺がとるから、この患者さんの治療から何から決めていいぞ。本当におかしなことは止めるから」と任せてくれたのです。そうは言われても最初は恐々しか動けず時間がかかりすぎていました。しかし患者さんの名前と顔、経過、今出している薬、リハビリの内容などを把握できるようになり、必要な検査が浮かびそれをオーダーする、自分で評価する、それで治療・食事・リハビリなどの変更もする、ご家族や本人へのICもし退院調整まで自分の判断(もちろん指導医がしっかり後ろで見ていてくださっている)でさせていただきました。私と同様に、研修医としてあくまで責任者ではなく、どうしてもどこかで依頼心が捨てきれず指導医からの回答をもらってから行動しがちな先生方もおられるのではないでしょうか。そして3年目で突然「先生」の全責任を背負わされプレッシャーに悩まされる。そうならないためのステップ経験が欲しいと思っていた自分にとって、最高の研修となりました。この経験と自信をベースに残りの研修2年目を過ごし、3年目を迎えようと思っています。

 また残りの2週の心療内科・漢方外来でも非常に多くのことを学ばせていただきました。精神科を志望しており心療内科の診察が勉強になるのは当然ですが、元々少し興味をもっていた漢方に対し、非常に興味が湧き、万能ではないですが、子供にも使いやすく、テーラーメイドの処方の実現のための強力な武器・選択だと感じ、まず西洋医学の基礎をしっかり学んだ後の話ですが、いずれ様々な漢方も選択の一つとしてアレンジして使いこなせる医師になりたいと思いました。

 6週間、本当にお世話になりました。ありがとうございました!!

   

(研修医) 尾崎眞人 先生

 

 学生の頃に1か月の間、見学と実習に訪れた郡上市民病院において今度は医師として職務を行いながら研修したいと思っておりました。念願が叶って、あたたかい先生方、スタッフの方に見守られながら1か月間充実した地域医療研修を終えることができました。

 

 地域医療の一端に触れたのは救急外来でのことでした。岐阜市のような都市でしかできないような高度な治療歴がある患者様が緊急時にはまず近くの、郡上にある病院にかかることになりますが、郡上市民病院での救急外来ではそんな「難しい」疾患を限られた医療資源の中でどう治療するかが課題でありました。救急部の先生に大きな郡上市で救急車を受け入れるにあたって救急隊に緻密な指示をしておくことが重要であることを学びました。今後も医療を学ぶ上で、限られた環境の時にどう治療ができるだろうという新たな視点を持つべきだと感じえた経験でした。幅広い知識に加え、多くの医療者と経験を共有することが重要かと、今は愚考しているところです。

 次に、1か月間特に貴重な経験だったのは小児科外来を毎日自分の名前を掲げることができたことでした。ありふれた主訴に対してもきちんとアセスメントし、必要最小限の検査や処方を行い、ここからが私にとって新しいことでありますが、再診をすべき日時がいつなのか考究できました。自宅での経過観察を行うのは母であり、医師が説明によって正しいバトンタッチを行えるかが重要であると感じました。そのために各疾患に関する更なる知識を深めることとなりました。これらは指導医の篠田先生の寛大な見守りがあってこそ実現し、おかげで自分のペースで、研鑽を重ねながら診療できたと思います。

 更に研修と学習を進めていく中で感じたことは、小児人口が減少していく中でも、特に郡上市ではかなり少なくなっている状況であってもなお、必要な医療の分野や医学はさらに増加している事実でした。例えば、小児在宅医療のための高度の知識、少ない小児を地域で守っていくための連携力、予防医学、思春期医学などです。自分の学びたい分野に加え、地域のニーズに合わせた医学の習得も非常に重要だということが今回子どもたちに触れて教わったことでした。1か月の短い研修でしたが将来の自分の姿を想起する重要な時間であったと思います。

 

 郡上での1か月間は、今後の医師人生の大きな糧になると思います。よく学び、経験し、また数々のおいしい食事をいただいて、大変幸せな時間であったと振り返っております。院長先生をはじめ、心あたたかな市民病院のすべてのドクター、スタッフの方々、患者様の皆様、1か月間まことにありがとうございました。

   

(研修医) 丹羽堅太郎 先生

 

  2018/10/29から12/14まで, 郡上市民病院にて地域医療研修をさせていただいた.

・脳外科・救急科研修

 研修前半は脳外科・救急科の先生の指導のもと, 外来診療や脳外科病棟の管理といった経験をさせていただいた. 脳出血後に発症した水頭症の症例に対する緊急ドレナージ術も経験させていただけた. 外来診療をしながら日中の救急車の対応をするなど, 地域の病院ということもあって院内にお1人で脳外科・救急科診療をされている姿からは地域医療に対する熱い思いを学ぶことが出来たと思う.

・小児科研修

 後半は小児科篠田先生のもと, 4週間に渡り実際に診察室で小児科外来診療をさせていただいた. もちろん篠田先生のフォローがあったのではあるが, 問診→診察→治療を自分なりに行うことができ, いままでの初期研修でのローテーションできなかった経験が大変刺激になった. また, 自分が産婦人科志望だということもあり新生児の蘇生, 診察でとくに気を付けること, 先天性疾患の鑑別など多くを教えていただけたと思う. 健診・予防接種の経験も大変勉強になった.

・訪問診療

 週に1-2度訪問診療に同行させていただき. 患者の自宅であったり, 施設へ足を運び, 疾患自体の治療のみならず社会的な背景を考えたうえでの診療に参加できたことは地域医療を担う病院でなくては経験できない貴重なものだったと思う.

・時間外救急

 また, 上級医の先生方と共に何度か日当直にも入らせていただいた. 普段の当直業務とは違い, 一晩中患者を診ているわけではなかったものの, 限られた検査や処方の中で行わなければいけなかった. 看護師さんやその他当番のコメディカルの力を借りながら良い経験が出来たと思う.

 

 直接的に指導医としてお世話になった先生方はもちろんのこと, その他の先生方も外来や当直, 医局で出会ったときは優しく接していただきました. 看護師さん・事務の方々をはじめ院内のスタッフの方々も温かく受け入れてくださり過ごしやすく, のびのびとした地域研修を送ることが出来ました. この場を借りてお礼申し上げます.

   

(研修医) 金山佳史 先生

 

 私は内科3週間、整形外科1週間で合わせて1ヶ月の地域医療研修をさせていただいた。内科では、主に病棟業務、外来の初診患者の診療に加え、放射線技師の方から救急外来でできる心臓と腹部超音波検査の当て方を勉強した。整形外科では、主に外来診療と手術に参加した。

 また1ヶ月の研修の中で、訪問診療、訪問看護、老人介護施設、通所リハビリテーション等の見学をさせていただけた。訪問診療・看護では、患者さんの状態観察だけでなく、在宅介護されているご家族のケア(介護の仕方でわからないことに対する指導や介護による疲労度確認など)もされていることが印象的であった。また、国保白鳥病院では看護師、リハビリ担当者、ヘルパー、ケアマネジャー、ソーシャルワーカー、入院患者さんのキーパーソン(長男さん)らにまじり退院前調整会議に参加した。30年前に脳梗塞で片麻痺がある要介護1の男性患者さんが、今回は肺炎で入院され、抗生剤治療が奏功したため退院するという症例。退院後の自宅生活における問題点として、現在ADL自立であるものの、元々の麻痺に入院による筋力低下が加わり、家での自力入浴が難しい事が挙げられた。解決策として、介護保険の在宅サービスの1つ訪問介護を利用して入浴介助をするという提案がされた。実際に介護サービスがどのように提供されていくのか知ることができ大変勉強になった。

 研修管理担当の先生をはじめとする諸先生方、コメディカルや事務の方々のおかげで充実した研修生活を送ることができた。今回の経験を今後の自分の医師人生に生かしていきたい。本当にありがとうございました。

   

(研修医) 児玉篤典 先生

 

 5月いっぱいを、脳外科/救急、小児科で研修させていただきました。地域実習は学生のときにありましたが、実際に医師として垣間見る地域医療は、当時ではわからなかった苦労が体験できて大変勉強になりました。実際に転院搬送となる救急症例や、往診、訪問診療の現実を味わって、限られたリソースでいかに立ち振る舞うか、患者さんの社会的な背景をくみとっていくか学ぶことができました。と同時に、常々自身の研修病院がいかに巨大で、人的にも物的にもリソースに恵まれているか、いかに自身が守られていたかを痛感し、ますます勉強不足を恥じる日々でした。

 地域の医療のみならず、地域そのものがかかえる課題を実際に知ることができて、本当によかったと思いました。これを知っているのと知らないのとでは、やはり大きく違っていたなと感じます。事実、研修前と今では、少し医療の価値観が変化し、普段大病院で行われているマキシマムな医療と、患者背景によりそって今あるリソースでしっかり行うミニマルな医療との乖離、心の距離感のようなものが芽生え、今後日本の将来の課題へのまなざしが強くなりました。

 貴重な研修であったと同時に、多くの先生方、医療スタッフの温かい歓迎を受け、また戻ってきて貢献したいという思いも抱いております。1ヶ月間ありがとうございました。またいつかお世話になることと思いますが、その際はなにとぞよろしくお願いいたします。

   

(研修医) 安田愛 先生

 

 郡上市民病院で1か月の地域医療研修をさせていただき、多くのことを学ぶことができました。最初は研修医が自分1人だけということで不安が大きかったのですが、先生方や看護師さん方が温かく迎えてくださり、充実した1か月を過ごすことができました。

 前半2週間は小児科で研修をさせていただきました。外来の初診を一部担当させていただいたり、これまでなかなか経験する機会のなかったワクチン接種もさせていただき、貴重な経験になりました。郡上市民病院では、常勤の小児科の先生は一人であり、すべての小児科診療を一人で行なわなければならないという状況の中で、先生は子供たち一人一人と丁寧に真摯に向き合われていて、見習わなければならないと感じました。

 後半2週間は内科で研修をさせていただきました。まず最初に病棟の回診をして驚いたのが、入院患者さんの年齢層の高さです。そのため、認知症があったり、家族と離れて暮らしていたりして、自宅退院が困難な患者さんもたくさんいらっしゃいました。患者さんの疾患だけではなく、家庭環境や居住地域なども考慮し、退院後の生活について様々な職種の方々と連携をとって考えていかなければならないということを学びました。

 また、訪問診療にも何度か同行させていただき、普段はできない経験をさせていただきました。寝たきりなどの理由で通院が困難となった患者さんや、最期を自宅で迎えたいという患者さんやその家族にとって、訪問診療は大きな支えになっていました。普段は病院内でしか患者さんと接する機会はないのですが、患者さんの家庭に入って診療を行うということがとても新鮮に感じましたし、そうすることで患者さんとより深い関わりが持てるのだと感じました。

 1か月間という短い期間ではありますが、郡上市民病院の諸先生方や、看護師さんをはじめとするコメディカルの方々には大変お世話になりました。郡上市民病院で学んだことを今後にも生かせるように頑張っていきたいと思っています。本当に1か月間ありがとうございました。

   

(研修医) 田口幸太郎 先生

 

 今回松波総合病院より郡上市民病院にて10月の一か月間、地域医療研修をさせていただきました。私は出身が中津川市加子母という山間部で、そこはお世辞にも医療に恵まれた環境とは言えません。自分としては今回医療者側からの目線で地域医療の現状を学びたいと思うのと同時に、自分のスキルアップのため多くの症例を経験できたらと考え、この研修に臨ませていただきました。

 はじめ2週間は脳神経外科を回らさせていただいたのですが、脳神経外科・救急科となっており、病棟の患者さんは脳神経外科を中心にほかの救急疾患も入院されている状態でした。多くの症例を見させていただきましたが、とくに印象に残っているのが大学や県総合医療センターにて手術、化学療法、放射線治療等をされ、その後の加療目的で郡上市民病院に紹介されてきた方々です。研修医である私は普段急性期治療を行なっており、その後の治療に関してはわかっていないところが多かったため、患者さんたちが急性期治療後どのような医療を受けているのかというところを今回学ぶことができました。

 また後半2週間は外科を回らさせていただきました。手術を中心に、外来、病棟等にもかかわらさせていただきました。最初の説明で郡上の患者さんは平均年齢が高いと聞いていましたが、年齢以上にお若くお元気な方が多く、手術も90台だからやらないという選択はなく、その人の状態を見て積極的に行っているところは驚きでした。

 郡上での地域実習では今までの自分の中での医療とは異なることも多く、戸惑いながらでしたがとても良い経験ができました。今後の自分の糧にして精進していきます。ありがとうございました。

   

(研修医) 渡邊由佳 先生

 

 小児科研修では主に篠田先生、その他にも長屋先生、八木先生にご指導いただき、一般外来、予防接種、1か月健診、8カ月健診、アレルギー外来、病棟などに係わらせていただきました。外来診察はスピーディーに的確な診察と問診を行い、また小さい時からかかわりのある児の成長を見守りながら病状をコントロールしていく様子など、地域のかかりつけ小児科の有り方を改めて見学することができました。喘息、RSウイルス細気管支炎、蜂窩織炎、尿路感染症、単純型熱性けいれんなどの病棟患者さんの病状の推移も篠田先生と回診をしながら見ることができ、また予防接種のガイドラインの確認や安全な接種についてもご指導いただきました。アレルギー外来では特異的IgEのスコアが高くとも、食物負荷試験で特に有害事象なく数g摂取できる場合や、小児でのプリックテストも初めて見学することができました。8カ月健診ではパラシュート反射を行いましたが、安全に上手くお子さんの体勢をかえるのがなかなか難しく特に印象に残っています。

 内科研修では、肺炎や尿路感染症、さらに膀胱タンポナーデ、消化管出血、喘息、低ナトリウム血症などの入院症例に深く係わることができました。外来では胸水穿刺、DCも経験することができました。入院患者さんは90歳台の方が多く最初は戸惑う部分もありましたが、皆さんお元気でお話ができ、病状が落ち着くと自身でご飯もたべられるようになるなど、こちらも笑顔になれるような元気をわけてもらえる方々が多くいらっしゃいました。伊藤先生や松野先生にご指導いただき、透析室での回診や、腎不全症例・救急外来での症例も提示いただいて、勉強する機会もいただけました。またエコー技術の向上のため技師の奥田先生にも指導いただき、心不全フォロー・手術前心機能評価の心エコーや、血尿スクリーニング・副腎線腫フォローのための腹部エコーなど見学することができました。

 訪問診療や訪問看護にも何度か同行させていただくことができ、認知症の方や低酸素脳症で全介助の方、廃用症候群の方、NPPVを導入されている方など様々な方に係わることができました。在宅での過ごし方、体調変化について伺ったり在宅医療に係わる職種共通のファイルを見せていただいたりと、「地域で」「自宅で」どのような面からサポートをうけて生活しているのかと言う事を改めて考える機会をいただけました。救急外来では指導医の先生とも相談しながら、看護師さんをはじめスタッフの方に助けて頂き、異なる病院での当直業務を経験することができました。先生方にはどんな些細な質問にも丁寧に説明・ご指導いただけて地域研修での4週間はとても有意義に過ごすことができました。このような貴重な研修の機会をいただき、片桐院長をはじめ先生方、コメディカルの方、事務の方々に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
   

(研修医) 篠田優 先生

 

 郡上市民病院にて小児科2週間、救急・脳外科2週間研修させて頂きました。

 小児科では外来診察、病棟業務を研修させて頂きました。救急外来にて小児を診察する機会は多いですが、小児科の外来として小児を診察するのはやはり別物だと感じました。救急外来では翌日小児科医の診察を受けることを前提として話を進めるため、どこか診察に対する責任感が弱かったからかもしれません。乳児健診や予防接種外来も見学させていただくことができました。健診時に診察のポイントやよくある親からの疑問点などを知ることができて大変ためになりました。何事も経験しないと知ることはできませんし、普段一番近くにいる親からの疑問を知ることは小児科志望としては大切だと思います。またそれに対して適切な回答を用意し、親を安心させることができるようになりたいとも思いました。

 救急・脳外科では救急搬送の初期介入および病棟業務の研修をさせて頂きました。救急搬送の初期介入ではある程度の範囲まで任せて頂き、自分で判断し行動することができのびのびと研修をさせて頂きました。介入後は指導医から適切な指導があり、経験をつむことにより今後に対して活かせると感じられました。病棟業務に関しても、同様にやはり任せてもらえるとやりがいがあります。任せてもらえるということは自己判断にて医療行為を進めていくため不安はありますが、経験がないようでは成長できません。不安はありますが、少しずつ自分で判断し、行動していくこと後短い研修生活の中で意識していきたいです。

 研修期間中の指導医の先生方には短い期間でしたが大変お世話になりました。また、郡上市民病院の医療スタッフの方々には大変ご迷惑をおかけしましたが、親しくして頂き暖かく迎えくださったことに感謝しています。郡上市民病院はひとの暖かさを感じられる素晴らしい病院だと思いました。

   

(研修医) 高井由希子 先生

 

 2ヶ月間あたたかくご指導いただき感謝の気持ちでいっぱいです。日当直業務ではお役にたてず大変申し訳ありませんでした。

 小児科では外来、病棟だけでなく新生児診察、予防接種、乳児健診なども実際に行う機会をいただきました。外来では予診という形ではなく診察・検査・処方まで任せていただき、初めは不安でしたが患者さんとしっかり向き合おうという意識がより強まりました。問診で必要な情報をうまく聞き出すことが苦手だったのですが、お母様方が診察に協力的でいてくださったおかげで苦手意識が薄れたように思います。予防接種・乳児健診ははじめての経験だったので大変勉強になっただけでなく可愛い子供達に心癒される時間でした。郡上市民病院小児科では篠田先生お一人ですべてをこなされているだけでなく、日当直業務や副院長としてのお仕事もされています。そんな状況にも関わらず、忙しさや疲れを感じさせない悠々と朗らかに診療にあたられるお姿に尊敬の念を抱き、日々の自分の振る舞いを反省させられました。

 内科でも病棟だけでなく外来診療を行わせていただきました。実年齢より10歳はお若く見えるお元気なお年寄りが多く本当に驚きました。私は専門は放射線科を選択する予定なので、3年目以降ほとんど患者さんと直接お話する機会がなくなってしまいます。最後に沢山の患者さんとお話できる貴重な機会となりました。

 心療内科では主に漢方診療について学ばせて頂きました。もともと漢方には興味があり、今回経験豊富な先生から色々教えていただけてとても勉強になりました。西洋薬では治しきれない訴えに漢方薬が著効した場合の患者さんの満足度は大変大きいのだと感じました。

 往診・訪問看護にも沢山同行させて頂きました。地域医療をまさに行っている、という感覚になりました。地域柄から病院受診が難しいことや老老介護の現状から訪問サービスの需要が高まっていることや知りました。在宅の患者さんのサービス担当者会議にも参加させていただき、実際にどのようにプランが作成され実行されているのか、多職種の連携について知ることが出来ました。今回ここで経験し考えさせられたこと感じたことは医師としてというより人として大きな収穫となりました。

 また、脳外科の先生のように良く働いて良く飲んでさらに林業にも携わっておられるお姿に刺激を受けました。時間をいかにうまく使うか、いかに生産性のある毎日を送るかについて考えさせられました。私も今後先生のような濃厚な日々を送りたいと思います。

 大病院での研修と違い、各種検査やカンファレンスなどの時間に追われず、患者さんや他職種の方と交流を持つ時間がしっかり持てたことも充実した地域研修になった一因だと思います。先生方、看護師・心理士・薬剤師・事務の皆様のあたたかいお人柄のおかげで、色々と勉強になっただけでなく心地よい2ヶ月間を過ごすことが出来ました。本当にありがとうございました。
   

(研修医) 鳥居寛 先生

 

 郡上市民病院にて小児科1週間、内科2週間研修させていただきました。

 小児科では外来診察、病棟業務を研修させてもらいました。当直でいつも悩むのですが、小児科ではどのくらいの患者が入院になるのかよくわかっていませんでした。また、鑑別疾患で必要だと思えば、点滴、血液検査、CTを行うという判断力を教科書だけでなく、実際の現場で学ばせていただきました。

 内科研修では、消化器内科や循環器内科など細分化された科はなく、糖尿病であろうと、狭心症であろうとカンファレンスはあるものの自身で治療方針を決定しておりました。全身を診ることができ、病態の理解がより深まったと思います。そして、今までどれほど他科の医師にお世話になってきたか、身に染みて思い知らされました。

 当直もとてもいい経験になりました。大病院での当直では日中のように検査を出すことができますが、郡上市民病院ではそうもいかず、宅直の技師を呼ばなくてはいけません。大病院特有の "一応やっておくか" の精神ではスタッフが疲弊してしまい、本当に必要な検査かどうか考え、検査前確率を高めるような問診をしなければなりません。郡上市民病院の当直のおかげで、所見や病歴に関してより敏感になったと思います。

 やはり高齢者が多く、外来患者や入院患者は80〜90代ばかりです。こういう方々にどこまで医療を提供するのか、本当に悩ましいところです。例えば95歳の患者にPCPSを行うのか、数百万する抗体療法を行うのか、日本の医療の将来を郡上市民病院にて考えさせられました。このような貴重な研修の機会を与えていただき、本当にありがとうございました。
   

(研修医) 勝野貴史 先生

 

 今回5週間の地域研修を郡上市民病院でさせて頂き、研修期間を通して感じたことを感想文に記載させて頂きます。

  郡上は過去に2回ほど八幡エリアに行ったことがあり、ここの医療体制に興味があったため郡上市民病院を選択しました。研修時期が初夏とういこともあり、水の町である魅力的な郡上を感じながら研修に励まさせて頂きました。

  郡上市民病院に来てからまず思ったことは、高齢者の患者さんの多さでした。郡上市の高齢化率は30%近くあり、中には100歳超で元気に独歩で来院される方も見かけました。70歳代の方が若く感じてしまう程でありました。今後日本も少子高齢化が進んでいき、都市部でも同様の状況に直面することを考えると、高齢者診療独自の考え方を学ぶことができたのは大変大きな意味を持つと思います。また私は高齢者診察が多い内科のみならず、小児科を選択することで郡上市の幅広い年齢層まで診療に携わることができました。大変良い選択をしたと思っています。

今回はその中でも、小児科について記載を残したいと思う。郡上市の小児科専門医は3人のうち郡上市民病院に1人,白鳥病院に1人,開業医に1人という状況です。郡上市民病院では常勤医1名で日勤帯、夜勤帯の待機、転院搬送や新生児管理まで全てこなしている状況であります。小児科研修の研修内容は午前一般外来,午後病棟管理/検診/予防接種という予定でした。県総合医療センターで小児科ローテーションは経験済みですが、実際に検診や予防接種外来を一部担当するのは初めての経験でありとても有意義な時間を過ごすことができました。何よりも印象的だったのは、医師が街を歩けば街中の親子さんから声かけられる様子でした。短い間の出来事ではありましたが、郡上エリアのコミュニティに医師—患者の隔たりなく関わっている医師の姿勢や人柄が織り成す結果だと感じました。郡上市の将来を担う子供達の健康に尽力を注ぎ、義務感を感じず仕事をこなす姿を見て、地域における小児科診療を目の当たりにすることができました。岐阜県総合センターにいてはまず経験することができない貴重な体験をさせて頂きました。

  また病院内での研修のみならず、訪問看護,訪問診療,偕楽園研修にも参加しました。そこで気がついたことは、きめ細かい医療・保健・福祉が一体となり全人的に住民をサポートし、地域全体に格差なく健康の維持推進を提供する体制でした。まさに地域医療という感じであるが、この医療の原点とも言える考え方を再認識することができたことは自分にとって大きな収穫であると感じました。今後の長い医師人生においても大きな意味を持つと思います。また、地域研修で学び得たことは急性期病院と地域病院との連携です。例えば、急性期病院から地域病院エリアへ退院/転院となった場合の医療計画,地域から急性期病院への転院搬送など、岐阜県総合医療センターではまず学ぶことができない事だらけした。今後は、今までは気付かなかったこの連携を意識しながら日々研鑽を積みたいと思っています。

  5週間と短い間ではありましたが、大変お世話になりました。郡上市民病院の諸先生方,看護師方,検査部の方々,事務の方々には、大変親しくして頂き暖かく迎えて下さったことを心から感謝しております。今後郡上市民病院で働ける機会があった時には、またよろしくお願い致します。

   

(研修医) 前島音郁斗 先生

 

 この度、一ヶ月間地域医療研修を郡上市民病院にてさせていただき、誠 にありがとうございました。地域医療の現状を知る貴重な経験でした。

 研修の前半は心療内科で精神疾患の診察・治療や地域のメンタルヘルスについて学ばせていただきました。高齢化が進んでいる僻地としては認知症患者の割合はやはり比較的に高かったですが、その他にうつ病患者や発達障害の児童もいました。森清先生の下で研修をさせていただいたことで、精神疾患の東洋医学的な診方をも学ばせていただく、非常に貴重な機会となりました。午後に漢方専門外来で冷え性や不眠症などの対応をみました。漢方は体質などに合わせた処方する必要があり、独学のみで漢方を使いこなせるようになることは難しいですが、短い期間ではありましたが、経験豊富な先生の元で勉強させていただく事ができて、とてもラッキーでした。

 後半の耳鼻科研修は外来患者の診察や処置などの見学をさせていただきました。自分は学生の頃の大学病院における耳鼻科しか経験したことがなかったので、耳鼻科のcommon diseaseをほとんどみたことがありませんでした。しかし今回の研修で耳垢栓による聴力低下、副鼻腔炎、扁桃腺周囲膿瘍、扁桃腺炎など耳鼻科の頻度の高い疾患をほぼ一通りみさせていただきました。また夏休みであったということもあると思われますが、小児患者の数が多く、大都市の病院とそれほど変わらないという印象でした。

 また訪問医療も何回か行かせていただきました。地域医療は診療科を超えて地域社会を支えるために幅広い患者層を診る必要があるということが、小児科の先生が脳梗塞・脳出血の90歳代の患者の自宅を訪問して診療を行っているのを見ることで分かりました。

 今回の研修で、現場に行ってみないと分からないことを日々学ばせていただき、地域の方々並びに郡上市民病院のスタッフの皆様に心よりお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

   

(研修医) 木村友紀 先生

 

 私は地域医療実習として1ヶ月間、郡上市民病院で研修させていただきました。普段大勢の研修医に囲まれて研修しているので、たった1人での地域医療研修に少し不安を感じていましたが、病院に到着してすぐ廊下ですれ違った看護部長の梅村さんがとても素敵な笑顔で挨拶をしてくださり、それまでの不安はすぐになくなりました。また、多くの先生が毎朝病院の正面玄関に立って患者さんや職員の方々に挨拶をされており、病院全体がとても素敵な雰囲気だなと感じました。途中から私も参加させていただきましたが、患者さんの笑顔に触れることができ、とても気持ち良く1日のスタートをきることができました。

 私は小児科と整形外科でそれぞれ2週間ずつお世話になりました。小児科では実際に外来診療や予防接種を行う機会もいただき、さらに1ヶ月検診、3,4ヶ月検診、心エコーもでき貴重な経験となりました。整形外科では様々な手術症例がありましたが、中には大学病院の医師と行う関節鏡手術もあり、郡上でも大学病院と同等の高度な医療を受けられることが分かりました。さらに郡上偕楽園も1日見学させていただき、私の研修病院では経験できない介護の現場を見ることができました。

 そして、今回初めて訪問診療・訪問看護を経験させてもらいました。実際に同行させていただき、医師・看護師の訪問が患者さんのみならず、ご家族の方々の精神的な支えとなっていることが分かりました。終末期を自宅で過ごしている患者さんの痛みが強くなれば予定外でも訪問し、貧血が進行していれば輸血も行われていました。自宅で穏やかに最期を迎えられるよう、医師・看護師・ケアマネージャーの方など多職種が協力して、患者さん・ご家族にとって最良の医療を提供していく姿がとても印象的でした。

 最後になりましたが、充実した1ヶ月の研修生活を送ることができたのも、片桐院長をはじめとする諸先生方、コメディカルの方々、事務の方々のおかげです。本当にありがとうございました。

   

(研修医) 瀬古周子 先生

 

 郡上市民病院と地域の方とのつながりの強さを最も実感したのは訪問看護・訪問診察である。訪問診療で訪ねる方のバックグラウンドまで知った上での処方・デイケアやデイサービスの使用の推進、介護者への配慮を身をもって実感した。ある患者さんの家に訪問した際には患者さんの家族に介護によるストレスがかかっていないかの質問をしたり、介護者の話を聞くことも訪問看護の大切な役割であると痛感した。また、家族のキャラクターに合わせた訪問時間の設定をしていたのにも驚いた。規則に縛られるのではなく柔軟に対応しているからこそ患者さん・患者家族からの信頼は厚いのであると感じた。訪問診療のなかで大切にされていることは治せるものを治療することはもちろん、ターミナルの人をいかに笑顔にできるかであった。急性期病院で研修しており、慢性期病院・急性期病院それぞれの性質にあった役割を担うことはとても大切である。しかし、急性期病院で研修をし、治療をしたら慢性期病院へと転院しその後の経過を知らないことのほうが多く、研修中に忘れかけていたまさしく‘全人的な医療’を再度学ぶことができた。また、スキンシップを取ることが大切であるということも再認識した。

 訪問診療・訪問看護で計5回訪問したNさん。はじめは私自身も何を話していいか、家族のことに首を突っ込みすぎてはいけないのではないか、という思いがあり沈黙の時間も多かった。困ったときには先生や看護師さんにお任せ。そんな訪問診療であり自身でもこのままではいけないという思いがあった。その思いとは裏腹に何を話していいのか困っている態度が患者さんに背を向けるという態度に現れてしまった。先生に指摘されるまで患者さんに背を向けていることに気づきもしなかった。細かいことではあるが、そういうところに気づき、大切にできる医者こそが患者さんから信頼される‘先生’になれるのだと思った。先生がされることの見様見真似であったがスキンシップをするよう心掛けると帰宅時に患者さんから「次来るの楽しみにしているよ」という声をかけていただいた。「待ってたよ」「次も来てもらえるのか」と。これこそが信頼関係であり、やりがいを感じる瞬間であった。その後も行くたびに「待ってたよ」という言葉をかけていただいた。

 郡上市民病院では当直も何度も経験した。普段三次病院で研修しており、ある程度は経験しているつもりであったが、いかに自立して診療をしていないかということを痛感した。二度目の当直のCPAの連続。自分が指揮官となってスタッフに指示を出さなければいけない場面で棒立ちとなり何も指示を出せなかった。VFになっており除細動が必要な際にも何をするべきなのかパニックになってしまい救急隊の方に「VFです。除細動が必要です。」と言われてしまった。本当に助かった。医師が一人で当直をするということはほかのスタッフといかに連携を取って蘇生するか、自分一人では何もできないことを痛感した。状況をご家族に説明する際のY先生の言葉のひとつひとつに重みがあり患者さん・遺族を尊重する言葉が盛り込まれており、ご家族退席後、泣いている場合でない研修中の私の目から自然に涙があふれてきた。ご家族は患者さんが苦しんで亡くなっていったのではないか、それを一番気にされており、「苦しんでないのならよかった」という言葉にハッとした。県病院で研修をしている際にも死亡確認をすることや同席することはあったが、事実を淡々と説明するのみで、亡くなった方が苦しんでいたかどうかについて触れていることはなかった。ご家族は悲しい中にも安心してお見送りができるという場に立ち会わせていただき、今後自身でご遺族に説明する際にはY先生のように説明ができたらと強く感じた。

 地域研修を通して、患者さんとどのように向きあうかの勉強をさせていただいた。今後医師として働くうえで最も大切であり、常に自分なりに更新していかなければならないことだと思う。その基盤を郡上で構築できた。今後の医師生活に十分に役に立つであろうし、役立てていきたいと思う。

   

(研修医) 中村康人 先生

 

 地域医療研修として、10月の1ヶ月間郡上市民病院で研修させていただきました。外来や病棟の研修だけでなく、訪問診療や訪問看護もあり、郡上の方々の生活も感じることができました。

 普段の研修では、急性期中心の患者さんを主に診ており、患者さんのライフスタイルにはあまり配慮していませんでした。郡上市民病院の研修では訪問実習などを通じて、院外での患者さんの問題点や生活スタイルから考えていく視点を身につけることができました。

 偕楽園では、様々な障害を抱える人が、食事、入浴等において様々な工夫を行うことで生活の質を向上させる方法があることを教えていただきました。また、病院、施設、自宅での看病において、患者家族と医療関係者の距離が近く、互いに協力し合っているように感じました。

 外科・内科の研修では、施設により行っている診療のやり方や、使っている機械、薬も違っていて、限られた道具の中で診療を行っている上に、院長の『郡上は20年先の医療を行っている』という言葉にもあるように、患者さんの年齢層も高い中で診療をおこなっていて、大変勉強になりました。

 先生方・スタッフの皆さん、1ヶ月ご指導ありがとうございました。

   

(研修医) 堀尾俊太郎 先生

    お盆の徹夜踊りがある最高の季節に地域研修として郡上に来させていただきました。徹夜踊りは13日~15日3日間連続2時くらいまで参加させていただき非常に楽しかったです。また、この病院の内科は第二内科、外科は、第一外科と循環器内科か心臓外科に進もうと考えている私にはちょうどいい病院だったと思います。

 内科、脳外科・救急科をそれぞれ2週間研修させていただきました。いずれの科でも脳梗塞の患者が多く、郡上の高齢化の実態をひしひしと感じました。特に内科において専門が循環器であるにもかかわらず脳梗塞、誤飲性肺炎、尿路感染症など幅広い疾患を診なくてはいけないところが県総合医療センターと大きく違うところでした。心エコー検査もやらせていただき非常に有意義な時間を過ごせました。救急科では人手が少ない中でやりくりし、必要があれば転院搬送をしなければならないという事で、より的確で迅速な判断が求められると感じました。特に夜間当直において検査技師が呼び出しとなるために検査の必要の有無の判断も含まれ、非常に難しく感じました。実際、転院搬送となった心筋梗塞の症例も経験しました。日中の時間だったので検査室からエコーを持ってきて心エコー施行しましたが当直帯ではできないと考えるとポータブルの心エコーの必要性を感じました。

県総合医療センターでは経験できない訪問看護、往診にも参加させていただき、より患者さんを近くに感じ、地域特有の医療の形に触れることができました。郡上は高齢者が多く、交通の便も悪いことからこの訪問看護、往診が郡上の医療を支えているといえるのではないかと思えるほどでした。県総合医療センターに戻っても郡上で学んだことを生かしていきたいと思います。 今後も県総合医療センターの循環器内科医として外勤に来ることもあるかもしれませんがその時はよろしくお願いいたします。
   

(研修医) 山田尊大 先生

 

 今回の郡上市民病院での研修では、多くのことを学ぶことができました。

 まず1つ目は高齢化の進む地域では患者だけでなくその家族や地域による協力が、医療を行う上で大切であるということです。 訪問看護に同行させていただき、病院だけてなく家族による日常生活のサポートや地域による介護サービスなど、退院後にも多くの人によって地域医療が支えられていることを実感しました。特に看護師さんは患者さんの家族構成や家族の職業、住所なども詳しく把握されており、そういった家族の支援が必要であり、逆に家族へのサポートも病院として重要であると感じました。

 2つ目は地域の病院や福祉サービスと密に連帯をとりながら医療を行なっていることです。訪問看護を受けている患者さんの多くは介護サービスも利用しているが、それぞれバイタルサインから食事の状況、新たな訴えなど細かく記入し、密に連帯を取り医療・介護を行なっていることを感じました。また郡上市は広く医療機関も点在していることから、

電子カルテを共有するなど連帯を強めており、地域医療は一医療機関のみではなく多くの医療機関、福祉施設などが共同となって行なうものだと分かりました。

 また病棟では、泌尿器、外科、脳神経外科で研修させていただきました。外科の手術に助手で入らせていただいたり、脳神経外科では初診外来を担当したり貴重な経験をすることができました。はじめての手技や検査なども多くありましたが、先生方には優しく指導していただき多くのことを学ぶことができました。

慣れない環境での研修でしたが、担当の先生方や外来・病棟看護師、その他スタッフの方はみな優しく接していただき、楽しく大変充実した研修ができました。今後もこの経験を活かして頑張っていきたいと思います。
   

(研修医) 鷲見弘文 先生

    2015年11月からの1ヶ月間、郡上市民病院で研修をさせて頂きました。私が研修している岐阜県総合医療センターは所謂、都市部の急性病院であり、郡上市のような地域で研修するのは初めてでとても新鮮であり実に収穫のある1ヶ月間となりました。

以下に箇条書きとなりますが、私が経験した各項目の感想を述べさせて頂きます。

 

 

◆病棟

私は外科/脳神経外科・救急を選択しました。病棟には外科疾患だけでなく、肝性脳症、潰瘍性大腸炎などの内科疾患や帯状疱疹、褥瘡などの皮膚疾患の患者も入院していました。

地域病院では絶対的に医師数が少ないため、外科の先生方は総合医のように活躍していました。勿論、専門分野外の範囲は各科の先生方と相談し、1人の入院患者を各科のサポート得て協力的に診ておりとても印象的でした。また、病棟で肺塞栓症を発症した患者に対し、高度医療を受けれるよう岐阜県総合医療センターに転院搬送するのを救急車に同乗させて頂き、病々連携の大切さや地域病院の役割を認識できました。

 

◆外来

自分が手術に関わった患者の術後フォローや当直でナート処理した創傷の治癒経過を診ることや、気胸患者の胸腔ドレーン留置や腸閉塞患者のイレウス管留置などの処置をさせて頂き、とても勉強になりました。また、外来で入院となった患者の診断・治療・退院・外来フォローと一連の流れ全てに関わることができ非常に良い経験となりました。

 

◆手術・麻酔

毎日手術があり、すべての手術に参加させて頂きました。虫垂炎、ラパマーゲン、開腹胃全摘、ラパコロン、ラパコレ、乳がん切除など、時には緊急手術もあり、絶対数は少ないが岐阜県総合医療センターと変わらない高度の手術をされており驚きでありました。また、麻酔科志望である私に、麻酔導入→維持→覚醒まで全て任せて頂き、最初は不安でありましたが、少し自信が持てるまでになり、術後鎮痛や術後管理などまだまだ勉強が足りないことや、麻酔の難しさや奥深さを再認識したことは一番の収穫であったと思います。

 

◆往診

数回ではありましたが、往診も経験させて頂きました。郡上市において、年を追うごとに

 

高齢化が進んでおり、訪問診療・訪問看護・訪問介護・在宅介護等きめ細かい医療・保健・福祉が一体となった対応が求められています。各種の必要な施設が所在していないへき地においても格差のない同様な対応が求められており、単に医療を提供するだけではなく、医療の提供と同時に生活支援も行なっており、地域医療の大切さを痛感しました。

 

◆当直

岐阜県総合医療センターとは違い2次救急であり、受診者数は少なく、重傷者はほとんど来ないため、比較的楽に診察できました。しかし、岐阜県総合医療センターでは検査技師、放射線技師が院内に常在しており、採血や画像検査を簡単にオーダーすることができますが、地域病院では検査するためには家から呼ぶ必要があるため、本当に必要な検査なのかを必死で考え、丁寧な問診と身体診察の重要性を再認識しました。

 

 郡上のどこに居ても都市部と変わらない医療を提供することが理想と言われた院長先生の言葉はとても印象的であり、それを実践されている郡上市民病院で地域研修をできたことは私の医師人生の中で忘れられない1ヶ月間となりました。麻酔科ではありますが将来岐阜の地域医療に携わることができたらと思っております。

 最後になりますが、院長先生を始め、熱心に指導してくださった先生方、職員の皆様にお礼申し上げます。ありがとうございました。

   

(研修医) 松居志洋 先生

 

  今回、『緑したたる山なみに きらめく水の長良川 奥美濃の地を潤して 実り豊かな七郷よ ああ美しきふるさと郡上』(郡上市の歌より)の町、郡上市にある郡上市民病院で1ヶ月間地域研修をさせていただきました。郡上市の隣、岐阜県関市出身のため、あまり郡上が地域という感覚はありませんでしたが、郡上市の歌にもあるように、豊かな自然の中でのびのびと研修をさせていただきました。 研修を通じて、強く感じたことは、郡上市の人があたたかいということです。先生方には壮大な医局歓迎会を開催していただき、また、診療におきましてもとても丁寧に指導していただきました。また看護師さんや技師さん、事務局やスタッフの皆様からも声をかけていただき、とてもあたたかく迎え入れてもらいました。患者さんを診察する時も、「おおきに。おおきに。」とにっこりとほほ笑んで感謝してもらえたことがとても嬉しく、印象的でした。

 郡上市民病院が二次救急病院という指定ではありますが、ごく限られた疾患を除いては、医療圏のほとんどの治療が郡上市民病院で完結されていました。さらに、今回の研修で初めて経験させていただいたのが、訪問診療・訪問看護です。普段の研修病院では病院内に訪れた患者さんや、入院中の患者さんの診療しか行ないませんが、今回は病院を飛び出して、退院後の患者さんやその家族の方々を見させていただきました。そこで感じたことは、「病院で診る患者さんの姿は、その患者さんのごく一部にすぎない。」ということです。退院された患者さんは家庭にもどり、家族のサポートのもと日々を過ごされています。また、家族の方々は介護に対して一生懸命に大変な労力を注がれていました。我々、医療者にとって病院は日常の場ですが、医療に携わっていない方にとって病院とは全く日常とはかけ離れている場所です。患者さんには家族がいて、その背景には育ってきた地域の伝統や文化があります。生まれ育った郡上から離れたくないと言う患者さんもたくさんみえました。そういった患者さんやその家族の思いを大切にして、診断・治療から退院まで、全てを継続的にケアする地域医療がとても魅力的であると感じました。

 1ヶ月間ご指導いただきました、先生方、看護師さん、技師さん、医事課、スタッフのみなさん、本当にありがとうございました。

   

(研修医) 加藤達雄 先生

 

 地域研修として1ヶ月間、郡上市民病院で研修をさせていただき、訪問診療や訪問看護などの在宅医療や特養の偕楽園の見学、また脳外・救急、外科、整形外科の各科での研修を通じて非常に多くのことを学ぶことができ、有意義な1ヶ月を過ごすことができました。

在宅医療や特養などはこれまであまり見る機会もなかったのですが、病院以外での患者さんの生活を実際に拝見することで、医療は病院だけで完結できるものではなく、患者さん自身はもちろん、その御家族や福祉などの多くの協力のもとで成り立っていることを改めて知ることができました。また、患者さんを第一に考えた医療が実践されており、感銘を受けました。

急性期だけではなく慢性期の患者さんも多く、扱う疾患も非常に幅広く、専門科が細分化されていないので、様々な疾患や状況に対応しなければならず、医師としての自分の専門領域はもちろんですが、その他の知識や経験も要求されるため、改めて医師の責任の重さや新しい知識・技術を習得しようとする姿勢の大切さを学ぶことができました。1ヶ月

という短い期間ではありましたが、今後の医師人生に影響を与えるような多くの貴重な経験を積むことができ、地域研修として郡上市民病院に来ることができて本当によかったと思います。また、今回学んだことを日常の診療で活かしていきたいと思います。

 指導してくださった先生方や看護師さん、その他のスタッフの方々、本当にありがとうございました。

   

(研修医) 小泉亜耶子 先生

    「希望の通りに柔軟に研修内容を対応してもらえるよ、色々やらせてもらえてちょうど良い規模の病院だよ」という上の先生のすすめで、郡上市民病院を地域研修先として希望しました。当初郡上市についてはほとんど知らず、くる前は不安も大きかったですが、非常に楽しく有意義に1ヶ月過ごさせていただきました。

 私は内科系の科に進む予定でいたので、脳出血や脳梗塞の勉強をしたいと思い脳外科での研修を希望しました。病棟の患者さんを診ながら、脳卒中に関して内科で対応すべき点について色々と先生に教えていただき、勉強になりました。また普段の病院での研修よりもゆとりのあるプログラムだったので、自分で本を読んで勉強する時間があり、知識の整理ができました。

 外来の見学もさせていただきましたが、たとえ都市部でなくても、地域の中核病院・二次病院で医療を行うには、総合力だけでなく専門性が必要なのだと初めて気づきました。僻地医療のイメージで、田舎では主に総合力だけあれば良いのかと想像していた私には、非常に意外に感じられました。 

 また往診や訪問看護に頻繁に同行させていただき、普段病院で過ごしているのとは異なる患者さんの一面をみました。在宅医療を受けていた患者さんで、肺炎のために数日だけ入院した患者さんがいましたが、在宅のままで良いのかどうかの判断が非常に難しいと感じました。疾患の治療のためには入院管理が一番ですが、患者さんが望まれているか、家族は介護できるのか、そもそもこの人にとって在宅医療導入の目的はなんだったのか、など様々な方面に配慮が必要でした。普段の、「外来・入院」だけの医療形態とは異なる医療にふれ、面白いと思う反面、難しさも痛感しました。

 偕楽園の見学では、施設の方々の思いやりあふれる努力にただただ頭の下がる思いでした。またエンディング・ノートの作成など、「死」に向き合うための活動を行なっていると知って驚きました。医師になっても偕楽園のような施設で働く機会はなかなかないため、偕楽園の見学は非常に良い機会になりました。

 希望に添って研修内容の調整をしていただいたり、普段できない経験をたくさんさせていただき、あたたかくご指導いただきました職員の皆様に深く感謝申し上げます。

   

(研修医) 小澤陽介 先生  

 

 私は、1ヶ月間の地域医療研修の中で、郡上市民病院での研修の機会を頂き、1周間という短い間ではありましたがお世話になりました。私が郡上市民病院での研修を行ったのは、冬のとても寒い季節でした。車での生活であったため特に不自由することもなく、とてもよい研修を行うことが出来ました。

 郡上市民病院では外科にお世話になりました。外科の手術は週に3~5件程度ですが、医師4名で多くの患者さんを担当していました。外科とはいえ地域医療を支えている病院であり、大病院では外科で見る症例ではない症例も幅広く担当していました。療養病床の患者さんも担当しており、地域に根付いた医療を提供していると感じました。1周間のうち、1日は特別養護老人ホームの見学に行かせていただきました。地域の高齢者の方々をどのように介護し支えているかを体験することができ、とてもいい経験になりました。また、ペースト食や、刻み食などの食事も体験することができ、ご高齢の方が実際にどうような生活をされているのかを身を持って体験できるとてもいい機会を与えて頂きました。また、もう1日は、訪問診療に同行させて頂きました。車が必要不可欠な環境で、多くの高齢者が病院から離れた地域で生活しており、それらを支える訪問診療も地域医療として必要不可欠な存在であることを痛感しました。

 外科系の医師の数も多くなく、麻酔科医もいないため、基本的に手術は自家麻酔で行いました。大学病院での研修では経験することのできない貴重な経験を積ませて頂きました。手術に関しては、多くの手術を腹腔鏡下で行っており、今まで見たことのないような直腸脱の腹腔鏡手術も経験させていただきました。大学病院では、癌の手術が多く、それらが最も優先される傾向にありますが、地域の病院として、外科でできる手術は何でもやっているという印象を受けました。

 長良川と吉田川の合流する郡上八幡という風情ある地域で1周間研修をすることができ、医師としての人生の中で2度と経験することができないような経験も積むことが出来ました。1周間という短い間ではありましたが、医師を始めコメディカルの方々、事務の方々など多くの方にお世話になりました。本当にありがとうございました。個人的にも再び郡上という地域を訪れてみたいと思っています。

  

   

(研修医) 徳増健二 先生 

 

 郡上市民病院は急性期病院と慢性期病院の機能を合わせ持った病院であることが1つの特徴であると感じた。地理的には都市部から離れているが、各科で行っている医療は都市部の急性期病院と同等、さらにはより先進的な医療を目指している。今回研修した外科においては消化器疾患がメインであるが、消化器領域に限らない様々な領域の疾患を扱っている(もちろん病院にすべての外科が揃っていないという事情はあるが)。医療設備を整え、侵襲の少ない手術に努めている。郡上市民病院は高齢者の多い地域であり、必然的に診療する患者の年齢は高くなる。私が普段研修している八王子医療センターよりも患者の年齢が高く、90歳前後の患者も多くいるが、手術適応となることは稀ではない。高齢者の場合、術後の生活を特に考慮する必要があるが、郡上市民病院はこの点においても一般的な急性期病院とは異なっている。多くの急性期病院は入院期間を短くしてなるべく早期の退院、転院を目標とするが、郡上市民病院では退院をあまり急がない。近くに転院の受け皿となる病院が少ないという理由もあるが、高齢者は独居の場合も多く、無理な早期退院による症状の悪化、再燃はさらなるADLの低下、再入院を招く可能性がある。やや長めに入院期間を取ることで退院後の生活をより良好なものとすることができる。また療養型病床を持っているため慢性期の患者を受け入れることが可能であり、急性期に特化した病院とは異なっている。今後、高齢者の数はますます増加しいていくため、急性期病院のなかには慢性期の患者を抱えざるを得ない病院が増えていくことが考えられる。そのため病院の役割も少しずつ変化し、郡上市民病院のような形態が増えることが予想される。そういう意味では郡上市民病院は日本の少し先の医療を行っているともいえるのかもしれない。

 今回の研修期間中に郡上偕楽園という養護老人施設を見学する機会があった。この施設には要支援~要介護5まで幅広く入居している。戦後すぐに設立されており、この施設が長い間この地域の高齢者の生活を支えている。施設の建物自体は古く、必ずしも便利とはいえないが、施設職員は利用者が日常生活をいかに楽しく、充実して過ごすことができるか、日々の食事、レクリエーション、健康などについて考えていた。利用者の多くはこの施設が終の棲家となる可能性が高く、施設職員は患者の死と向き合うことが多くなる。現在の日本では病院で最後を迎えることがほとんどであるが、施設で最後を看取ることができることは、この職場で働いていることに大きな意義を与えてくれると施設職員が話してくれたは印象的であった。

 郡上市民病院での研修は5日間という短期間であったが、提供される医療の質に都市部と地方で大きな差はないことを実感し、また、今後の10年後、20年後の日本の医療が直面するであろう問題に対してすでに取り組んでいるのは、むしろ地方なのではないかということを考えさせられた。

 最後に短い期間ではありましたがご指導頂いた、片桐先生、島本先生、川村先生、宮本先生および郡上市民病院の諸先生方、看護師、職員の方々に感謝致します。ありがとうございました。 
   

(研修医) 鎌田早紀 先生

 

郡上市民病院での研修を終えて

 8 月18日から22日までの5日間、地域医療実習として郡上市民病院で研修させて頂きました。

 病院に着いてまず最初に印象的だったことは、廊下ですれ違うコメディカルの方々・患者さんまでが、来たばかりの私に笑顔であいさつして下さったことです。優しい方が多い地域なのだろうな、と感じました。また、窓からすぐそこに見える美しい自然に囲まれた環境に癒されました。

 研修中は外科の手術に入れて頂いたり、小児科外来を見せて頂くことが出来ました。私は研修で消化器外科・小児科を回ったことがなく、“百聞は一見にしかず”を体験したこの5日間は、非常に貴重な経験となりました。手術で助手を務めることや小児診察の奥深さ、難しさを知りました。

 訪問診療に行く機会も頂き、初めて在宅医療に関わることが出来ました。先生・看護師さんが、患者さんとその御家族に親身になって接する姿や、訪問看護・訪問ヘルパー・デイサービスなどを含めた、地域ぐるみでの在宅医療の取り組みを見せて頂くことができました。「郡上は30年後の日本の人口構成の中で医療を行っているんですよ。」とおっしゃっていた片桐院長のお言葉が印象的でした。在宅医療は病院内で行う医療よりも、さらに患者さんの家族・生活背景が大きく関わるため、人との繋がりが濃い郡上だからこそ成り立つ部分も大いにあると思いますが、今後の日本の医療モデルとしてとても参考になりました。

 また今回の研修期間中に、郡上踊りに参加することが出来ました。初心者の私にはなかなか難しい踊りでしたが、昔ながらの町並みの中で生のお囃子とともに踊ることが出来て、とても良い思い出になりました。

 片桐院長、消化器外科・小児科・脳外科の先生方、事務の方々、看護師の方々、技師の方々をはじめ、郡上市民病院の皆様には本当にお世話になりました。どうもありがとうございました。

  

   

(研修医) 草野俊樹 先生 

 

 私は地域医療の研修の一環として、郡上市民病院で研修できて今後の自分の成長に生かせるいい機会だったと思いました。

 私が郡上を訪れた日はちょうど郡上市の最も有名な行事である郡上踊りの最終日でした。

院長含め外科先生方と挨拶を含めた食事を楽しんだ後に浴衣姿に下駄という出で立ちで会場を訪れると、結構な雨足にもかかわらず多くの溢れんばかりの人々が笑顔で踊り続ける光景は自分としてはすごく衝撃的であり、楽しく素晴らしい夜を体験させて頂きました。

 自分は1週間という短い期間の中で外科研修を選択させていただきました。

午前には病棟回診・処置、外来、検査、午後は手術、訪問診療、検診・読影という毎日忙しく1週間があっという間に過ぎてしまいましたが、幅広い多くの症例を経験させていただきました。

中でも、自分がもっとも興味があった訪問診療を体験できた事は、今後の自分の人生の中で貴重な時間となりました。

訪問先では家族、医師、看護師、ヘルパー、介護施設と様々な職種の方々があらゆる方面で関与し、患者さん一つ一つの問題に対してゆっくりと慎重により良い医療と看護、介護を生活の中に取り入れようという姿勢は一見の価値がありました。

 郡上市民病院では、急性期を主に医療を進めているとされる大学病院とは違い、急性期、回復期、慢性期といった入院してから自宅に戻ってからの生活まで患者さんと御家族とより密接に関わる医療を行っている、人生に関与しているということを実感しました。

 こういった楽しく実のある研修を進めることが出来たのは、片桐院長を始めとした外科を中心とした諸先生方、多くのコメディカルの方々にこの場を借りて感謝いたします。この経験を自分の今後の医療に活かしていきたいです。

 

   

(研修医) 高橋かおり先生

 
私は、郡上の夏の風物詩である郡上踊りで盛り上がりをみせる8月に、1か月間の研修を行いました。
私は3年目から産婦人科医として働くことを決めていましたので、産婦人科での研修を選択しました。
1か月という期間はとても短くあっという間に過ぎていきました。本当に毎日が充実していて、今まで経験できなかったことをたくさん経験させていただきました。
私は岐阜大学病院で研修をしているので、手術での前立、ましてや執刀などは未経験でした。
そんな私に、単純子宮全摘術や帝王切開を前立・執刀医という機会を与えて下さった、先生方にはとても感謝しています。
また分娩の立ち会いも何度か経験させていただきました。まだまだ分娩に対する不安は拭い去れませんが、赤ちゃんの誕生という産婦人科医ならではの経験ができ、改めて産婦人科への魅力を感じました。
仕事が終わってからも毎日充実していました。先生方とご飯を食べに(お酒を飲みに?)行ったり、人生初の徹夜踊りに参加したりと、本当に毎日が楽しく、かけがえのない1か月を過ごすことができました。
このように私が楽しい1か月を過ごすことができたのも、片桐院長をはじめとする諸先生方、優しいコメディカルの方々、頼りになる事務の方々のおかげです。本当にありがとうございました。
     

(研修医) 大塚博樹先生

 
 郡上市民病院での研修で、非常に多くの経験をさせていただきました。
当初小児科での一か月の研修を希望していましたが、先生方の科を超えたつながりがあり、多岐にわたる研修をさせていただきました。
 小児科では一番経験したかった外来での一般診療をやらせていただき、また予防接種や健診も勉強させてもらいました。
また無理を言って日曜日の午前中に近くの開業医さんで診療を見させていただきました。
 他にも耳鼻科・脳神経外科・外科の外来をみさせていただいたり、外科の手術も見させていただきました。
臨床研修制度があるとはいえ、自分の選択では研修医になってからほとんど接点のなかった分野の医療に触れることができました。
 貴重な体験としては、在宅医療に触れた「訪問診療」があります。訪問診療は今までの自分にとっては「別の医療」でした。
実際に大学病院では医師が訪問するということは全く出てこない話題であり、今までの自分は患者さんが退院するまでのことしか考えていませんでした。
しかし現実には患者さんは退院したら自宅に帰り、また日常生活を営みます。
そんな患者さんが家族やいろいろな職種の方々に囲まれて過ごしている自宅を訪問するのは、自分の医師人生にとって非常に貴重な体験でした。
まわった家々の和やかな雰囲気を、僕は忘れません。
「入院中から退院後の生活まで視野に入れなければ、ただ治療しても意味がない」という話も聞きました。
これは訪問診療を経て本当に痛感しました。また、在宅医療や訪問診療は、「別の医療」ではなく、病院に勤務する医師たちも日常携わる医療なのだということがわかりました。
その一歩目として、救急部長からケアマネージャーさん方へ講演する場に僕も参加でき、これも非常に勉強になりました。
最後に、一か月間の研修のためにご配慮くださった事務の方々、忙しい仕事の中快く教えていただいたコメディカルの方々、わがままを聞いてくださった各科の先生と、なにより一か月間全てに渡ってご指導・ご尽力いただいた小児科篠田先生に深く感謝しております。
皆様一か月間ありがとうございました。
     

(研修医) 前川由佳先生

 
今回初期臨床研修の地域医療研修の一環として郡上市民病院の産婦人科にて1か月間研修させていただきました。
研修内容としては、一般的な外来診療から、子宮癌検診、予防接種、手術や分娩など幅広く経験させていただきました。
今までの研修では、すでにある程度の診断がついている状態で紹介された患者様をみる機会が多かったのですが、市民病院では癌検診から、コルポスコピー、円錐切除に至るまで診断から治療までの流れを一通り経験することができました。
また分娩数も多く、妊婦健診から分娩に至るまで多くの症例を経験することができました。
その他婦人科手術や帝王切開などにも参加させていただき大変勉強になりました。
病院全体の雰囲気もよく、指導医の先生方も熱心に指導してくださり、大変充実した1か月でした。
今回の経験を今後の診察に是非生かしていきたいと思います。